おそらく、冷凍技術の発達していない昔は、神様に供される魚介類のほとんどは生ものではなく、干物だったのかもしれません。
干物というと、生ものより格が劣るような気がするかもしれませんが、決して干物は決して生ものに劣るようなものではありません。
神宮に鎮座されているアマテラスオオミカミの別名はオオヒルメノムチと言います。
太陽神であり、その恵みをいっぱいにうけてこそ良い干物ができるというものです。
そして、万葉集に「藻塩焼く」とうたわれたように、海藻をかき集めて燃やした塩には、海の神さまであるワタツミノカミの恩恵がいっぱいにつまっていて、なんとも言えぬ味を醸し出したのではないでしょうか。
おそらく持統天皇も、伊勢志摩への行幸の時を別にすれば、藤原京における普段の食生活ではこのような干物を中心にたんぱく質をお取りになったのだろうと想像します。
これらは、日本人が世界に冠たる干物グルメであることのゆえんではないでしょうか。
